プロジェクト
総工費約62億ユーロのナポリ-バーリ路線は、完成すればイタリア南東部の鉄道インフラを統合して欧州横断ネットワークの一部となり、この2都市間の移動を数時間短縮します。Rete Ferroviaria Italianaは、ナポリ-バーリ路線の設計・建設をItalferrに委託しました。この高速・大量輸送鉄道の全長は150キロメートルですが、途中のアーピチェからボヴィーノまでのおよそ60キロメートルの区間では、初めにトンネルの多いエリアを通り、5箇所の鋼コンクリート合成高架橋を通過してトンネルのない区間に進みます。その途中には1つの停車場と2つの駅があります。鉄道のデリバリを担当していたのは、Ferrovie dello Stato Italiane Groupのエンジニアリング会社であるItalferrです。同社は、複雑な地質、危険の多い地形、複雑なトンネル構成といった課題に直面しており、多分野型のチームや多数の関係者との間で膨大な量のデータを共有する必要がありました。また、プロジェクトチームは、計画、設計、建設を最適化するために、データ調整を管理し、ワークフローを合理化する相互運用可能なテクノロジを必要としていました。
ソリューション
Italferrは、Bentleyテクノロジを使用してライフサイクルBIMアプローチを導入し、効率的な設計・建築プロセスを構築しました。同社は、さまざまな関係者間で円滑に情報交換できるようにコネクトデータ環境を確立しました。チームは、リアリティモデリングとBIMワークフローを使用してデジタルコンポーネントライブラリを開発し、さまざまなエンジニアリング分野ごとに3Dモデルを作成しました。正確な形状とポジショニングを確保するため、プロジェクトチームは鉄道全体の統合モデルにモデルを組み込むための動的プラットフォームを開発し、最終的にこれをデジタルツインの基礎として活用しました。
成果
統合されたBIMテクノロジを使用してコネクトデータ環境で作業することで、正確なデータ共有と複数の分野にまたがるワークフローが合理化されました。チームは、設計の品質と持続可能性を高め、設計変更の影響を軽減し、意思決定を迅速化することができました。パラメトリックコンポーネントのデジタルライブラリを作成することで、動的モデリングが容易になり、以前は手作業で行っていたプロセスの自動化が実現して、全体的なモデリング時間が大幅に短縮されました。Bentleyのアプリケーションの相互運用性により、設計のあらゆる側面の管理が向上し、プロセスの早い段階でエラーを特定して解決できるだけでなく、建設管理の最適化も可能になりました。
ソフトウェア
Italferrは、Bentleyのオープンモデリングアプリケーションを使用して、約1,500のパラメトリックコンポーネントから成るBIMライブラリを開発しました。開発されたBIMモデルは50以上に及び、ProjectWiseが提供するコネクトデータ環境を介して、さまざまな分野の設計者やエンジニアがすべてのモデルにアクセスできるようになりました。OpenBuildings Designerをコネクトデータ環境と組み合わせたことで、鉄道全体の単一の統合モデルの組み立てが可能になりました。クラッシュ検出にNavigatorを使用して、設計レビューを最適化したことによって、建設中の時間とコストが削減されました。コネクトデータ環境と統合アプリケーションを含むBentleyのOpenRailソリューションによって、ワークフロー効率の向上、設計シナリオの迅速な比較が可能になり、分野間のコンプライアンスを確保しながら人件費を大幅に削減できました。このような方法でデジタル化を進めることで、Italferrの設計・建設管理の未来が広がります。
プロジェクトプレイブック: ContextCapture、Descartes、gINT、iModel.js、LumenRT、MicroStation、Navigator、OpenBuildings Designer、OpenRail Designer、OpenRoads Designer、ProjectWise、SYNCHRO