プロジェクト
プロバスケットボールチームのゴールデンステートウォリアーズは約50年間にわたりオークランドを本拠地として活動していましたが、2019~2020年のNBA(ナショナルバスケットボールアソシエーション)シーズンに向けて本拠地をサンフランシスコに移転することを決定しました。14億米ドルの費用を投じた新本拠地のチェイスセンターには、18,000人収容のアリーナのほか、11階建てのオフィスビル2棟、放送スタジオ、20店舗以上のショップやレストランを擁するショッピングセンター、誰でも利用できる3.2エーカーの広場とオープンスペース、925台収容可能な地下駐車場が揃っています。MortensonとClarkの共同事業体は、プロジェクト開始からシーズン開始までの31か月でこれらすべての構造物を建設しなければなりませんでした。また、建設の際には、地域の既存の建物や他の建設現場への配慮も必要でした。
ソリューション
MortensonとClarkはプロジェクトの受注を見越し、提案用としてSYNCHROでアリーナの4Dモデルを作成しました。この視覚化によって施設を定義可能なフィーチャに分割し、基礎構造とファサードの関係を明確にしたことで、作業の効率が向上しました。MortensonとClarkは、計画段階で5箇所すべてのキャンパスの構造物を同時に建設することを決定しました。MortensonとClarkのチームは、アリーナを4分割し、1つの区画のすべての階層を同時に建設する方法を提案しました。また、4Dモデルを使用して、建設工事が近隣に及ぼすあらゆる影響を関係者と一般市民に説明しました。
成果
チェイスセンターの建設スケジュールには、36,900を超える個別タスクと92,800を超える関係が含まれていました。プロジェクトを視覚化したことで、MortensonとClarkは施工順序の問題を468箇所特定し、対処することができました。また、コストのかかるクレーンのレンタル期間を最短に抑えるなど、4Dモデルを活用して効率化する方法を数多く見出しています。クレーンはすべて正確な高さでモデル化し、隣接する医療センターへのヘリコプターの飛行を妨げないエリアに配置しました。革新的なソフトウェアテクノロジを使用し、プロジェクトの作業を自動化することで削減された工数はおよそ720人時にのぼります。SYNCHROソフトウェアを使用したことで、チームは非常に厳しい建設スケジュールに対応し、プロジェクトを期日どおりに遂行することができました。
ソフトウェア
SYNCHROの4D視覚化機能を繰り返し使用して、設計と建設スケジュールを具体化しました。スケジュール担当者、監督者、トレードパートナー、および1,500人を超える専門作業者は、SYNCHROを使用して作業の質と精度を確保しました。また、2018年のSYNCHROアップデートにより、設計者は、プロジェクトの作業範囲と詳細レベルに基づいてコードを自動一致させられるようになり、モデルの各要素にタスクをハードコーディングすることによるエラーがなくなりました。MortensonとClarkは、MicrosoftのHoloLensでSYNCHROの4D視覚化機能のすべてを利用できるようにし、プロジェクトの進行中に共同作業の効率を向上させ、4Dで高度なARモデルを活用する方法を発見しました。
プロジェクトプレイブック: SYNCHRO