プロジェクト
Oil & Natural Gas Corporation(ONGC)は1億5,000万米ドルの予算が投じられたこのプロジェクトで、インドのムンバイ洋で操業中のジャケットプラットフォームの使用を延長できるかどうかを評価したうえで、業界の安全要件を満たすよう必要な補強工事を施しました。すでに多くのジャケットが設計時の耐用年数である25年を超過しているだけでなく、原油発見率を改善するための改修、補修、補強などが施されているため、構造的妥当性の解析調査を実施するのはきわめて困難でした。また、補強工事中もプラットフォームの操業を継続する必要があったため、安全性の確保もきわめて重要な課題でした。こうした複雑な課題に対処し、選択肢を徹底的に評価するため、ONGCは柔軟性と相互運用性に優れた洋上設計/解析アプリケーションを必要としていました。
ソリューション
ONGCはSACS(設計レベル)とSACS Collapse(最終的な強度解析)を採用したことで、パラメトリック変動要素を含む解析を複数実行し、補強方法や補修方法を最適化できました。同社のプロジェクトチームはSACSのデントモデリング機能を使用して断面計算と部材の強度評価を効果的に行い、作業時間を大幅に短縮しました。また、構成部材や結合部品の強化にSACSとSACS Collapseを使用して、さまざまな補強方法を解析することで、ジャケット構造物の破損モードを簡単に突き止めることができました。また、追加杭のモデリングに反復オプショニアリング方式を採用したことで、十分な支持強度を持つ杭サイズを効果的に選択できました。
成果
Bentleyのソフトウェアを使用して構造解析調査を行うことで、プラットフォームの操業を停止することなく継続的に収益を確保できました。SACSおよびSACS Collapseを使用して、カスタマイズした複数の解析を同時に行うことにより、プラットフォーム1基あたりの作業時間を12時間以上短縮するとともに、プラットフォーム新設によるコストの発生(正味2,500万米ドル)を回避しました。洋上ジャケット構造物の適格性再確認と再認証により、構造物の寿命が10~15年伸び、1日あたり約1,000バレルの平均原油生産量が継続的に維持されると見込まれています。
ソフトウェア
ONGCはBentleyのソフトウェアを導入し、パラメトリック変動要素を使用した複数の解析を行うことで、解決策を最適化するための効果的なソリューションが得られました。SACSとSACS Collapseの相互運用性により、さまざまな補強方法を効果的に検討できるようになり、時間とコストを大幅に削減できました。また、プラットフォーム構造の適格性再検査により、海洋生物、洋上資産、作業環境への安全性が継続的に確保されます。